こんにちは、キャリアコンサルタントのぴよおです。
本記事は、次のようなお悩みを抱えた方に役立つ内容となっています。
女性が就いてる仕事で最も年収の高い&低い業界・職業・職種を教えて欲しい
年齢別・雇用形態別で女性の平均年収が知りたい
月々いくらあれば生活していけるのか目安を把握しておきたい
転職を考えているので業界や職業選びの参考になる情報を得たい
就職や転職を検討する時に1番気になるのが「収入」という人は多いのではないでしょうか。
一人暮らしの場合でも何かとお金はかかりますし、同棲をしている場合は結婚費用を貯めたい、結婚している場合は子どもの養育費を稼ぎたいと考えるものです。
さて、一体どのくらいの収入が月々あればやっていけるのでしょうか。
また、女性が就く職業で収入の高い業界・職業・職種にはどんなものがあるのか、合わせてチェックしていきましょう!
働く女性の雇用事情と平均年収
国税庁が実施した「民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者5,255万人のうち、働く女性の人数は現在2,223万人にまで増えています。
この人数は給与所得者全体の42.3%であり、女性も男性とほぼ等しく働きに出ていることがわかります。
女性の雇用「正規と非正規の割合」
働いている女性のうち、正社員などの正規雇用者と、契約社員や派遣社員などの非正規雇用者の人数は、「正規雇用者1,172万人、非正規雇用者845万人」となっており、女性の非正規雇用者の割合はかなり高いのが現状です。
女性の年間平均給与額「男女別」
年間平均給与額を男女別で比べてみると、「男性が540万円、女性が296万円」と、まだまだ男性の給料のほうが高いのも実情です。
家事や育児など仕事以外の面を女性が担うケースは今も多いため、働ける総時間が短くなりやすく、非正規雇用者の人数が増えた結果とも言えます。
女性の年間平均給与額のボリュームゾーンは100万円超〜200万円が1番多く(23%)、2番目に200万円超〜300万円の層が多くなってり(20%)、女性の給与所得者のうち年収100万円〜300万円が4割以上という計算になります。
女性の年間平均給与額「雇用形態別」
女性の年間平均給与額を雇用形態別で見てみると、「正規雇用者は389万円、非正規雇用者は152万円」と、正規雇用と非正規雇用では給与額の差が2倍以上となっています。
女性の年間平均給与額「年齢別」
年齢別に見た女性の年間平均給与額では、「20〜24歳が248万円、25〜29歳が328万円」と、20代前半と後半の違いだけで80万円の差が出ています。
20代はキャリアアップが盛んな時期でもあり、実績を出せれば主要なポジションに大抜擢されるケースも少なくありません。激動の20代という実態がこの金額にあらわれているのでしょう。
30代は「30〜34歳が321万円、35〜39歳が313万円」と給与額はほぼ横ばい。40代は「40〜44歳が318万円、45〜49歳が324万円」と、こちらも給与はほぼ横ばいとなっています。
20代後半からは給料が横ばいで推移しているのが今のところ事実。同じ職場で長年働いてキャリアアップを積めば、少なくとも50代に入る前まではピーク時の年収を維持できると言えそうです。
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女性の生活費は毎月平均いくらかかるのか「収入と支出の実態」
一人暮らしの場合
総務省統計局が実施した「家計調査」によると、社会人の女性が1人暮らしする場合にかかる費用は、平均で月に約16万円という結果が判明しました。
月に約20万円あれば生活ができる計算になります。貯蓄額は最低でも2万円ほど毎月貯めている女性が多いようです。
ファミリーの場合
夫婦2人と子ども2人の4人家族の場合の生活費は、平均で月に約33万円で、毎月6万円貯蓄している家庭が多いようです。
同棲カップルの場合
民間機関が行った調査では、恋人と同棲しているケースでは、平均で月に約18万円の費用がかかっており、毎月3万円程度を貯蓄しているケースが多いという結果が出ています。
年収の高い仕事と低い仕事
女性が就く職業でもっとも年収が高いのは?
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、女性が就く職業でもっとも給料が高いのは「情報通信業」という結果が出ています。
令和2年賃金構造基本統計調査の概況
出典:第5表「主な産業、性、年齢階級別賃金及び年齢階級間賃金格差」
情報通信業とは
情報通信業は大きく分けると次の5つに分類することができます。
- 通信
- 放送
- 情報サービス
- インターネットサービス
- 映像や音声制作
「通信」はスマホや固定回線などの業種、「放送」はテレビ放送局やラジオ局などです。
「情報サービス」はゲーム会社やソフトウェア開発会社など、「インターネットサービス」はSNS業界や通販業界・検索サイトなどがあり、「映像や音声制作」にはアニメ制作会社や映画制作会社などがあります。
年収の高い業界・職業・職種
まず、情報通信業の平均年間給与額は「378〜489万円(平均月間給与額31.55万円)」で最も高くなっています。
【算出方法】
平均年間給与額(年収)は、当サイトが令和2年賃金構造基本統計調査の概況の結果に基づいて、最大値を「平均月間給与額×12ヶ月間」+「賞与を含む特別給与(年額3.5ヶ月分)」という仮説の概算値で算出しています。
※あくまでも目安としてご理解下さい。
続いて収入の高い業界は、「教育業や学習支援業」で平均年間給与額は「368〜475万円(平均月間給与額30.69万円)」です。
教育業や学習支援業には、小中高の学校の教師や大学の教授や助教授、塾や予備校の講師などが該当します。
女性の年間平均給与額「年齢別」で取り上げました通り、30代・40代と年齢が高くなっても給料の増加率はほぼ横ばいの傾向がありましたが、この教育業や学習支援業の場合は「給料の増加率も高くなる」という結果が出ています。
整理しますと、私たちの生活に欠かせないメディア系の制作やサービスを行っている業界は給与が高い傾向にあり、その次に教育関連が続いているようです。
また、他の民間会社が実施した給与額調査では次のような結果となっていました。
1位「コンサルタント(経営コンサルタント/リスクコンサルタントなど)」570〜610万円
2位「営業職(MRなど専門性の高い職種)」550〜570万円
3位「企画・管理職(法務/内部監査/知的財産/特許/財務/データアナリストなど)」490〜560万円
4位「金融業界での専門職(投資銀行業務)」520〜550万円
5位「IT・通信系(プロジェクトマネジャー/ITコンサルタントなど)」480〜550万円
国の調査でも民間会社の調査でも、専門職(専門的な技術が必要とされる職業)の年収が高い傾向にあります。
女性が就く職業でもっとも年収が低いのは?
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によりますと、女性が就く職業でもっとも収入の低い第1位は、「宿泊業や飲食サービス」で年間平均給与額は「250〜323万円(平均月間給与額20.89万円)」となっています。(※算出方法参照)
宿泊業や飲食サービスの給料はなぜ低い?
まず、宿泊業は「旅館業、下宿業、ホテル業、簡易宿場業」の4つに分かれています。
宿泊業の給料が低いのは、広告や食材費、消耗品などの支出額が多いことに起因します。
お客様が落としてくれるお金だけでは他の業界に比べて売上・利益ともに上がりにくいという特徴があります。
これは一流ホテルでも同じ事情で、売り上げ自体がそれほど多くないため、給料などの人件費にお金をかけられないのが実情です。
また、飲食サービスでは非正規雇用者が多いために全体的な給与額が低くなっていることも、全体の給与額を押し下げる要因となっています。
女性が就く職業で年収の低い第2位以降は・・・
女性が就く職業で収入の低い第2位は「製造業」で年間平均給与額は「267〜345万円(平均月間給与額22.27万円)」でした。(※算出方法参照)
続いて「運輸業/郵便業」の「268〜346万円(平均月間給与額22.33万円)」、「生活関連/サービス業/娯楽業」の「270〜348万円(平均月間給与額22.51万円)」、「サービス業(他に分類されないもの)」の「274〜354万円(平均月間給与額22.85万円)」と、ほぼ横ばいで続きます。
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女性の仕事選びで大切なこと
ライフステージの変化に伴って時短勤務を選ぶ女性は多いですが、「宿泊業や飲食サービス」をはじめとする低賃金の傾向が見受けられる業界は、フルタイムで働けない事情がある女性たちの雇用の受け皿として私たちを支えてくれているのも事実です。
収入のことだけを考えたら他の業界に目を向ける必要はありますが、自分のライフスタイルに合った仕事を選ぶ場合は収入だけにとらわれないことが大切だと思います。