こんにちは、キャリアコンサルタントのぴよおです。
本記事は、次のような悩みや疑問にお答えする内容となっています。
社会に出て何年か経つと、自然と気になってくるのが自分の年収です。
同年代の人たちと比べて高いのか低いのか、このまま今の仕事を続けていていいのか…。中には、収入を理由にすでに転職を検討している人もいることでしょう。
特に女性は妊娠や出産によるキャリアのブランクなども念頭におかなければなりません。同じ女性の中でどのような人たちが高収入を得ているのかを知りたいと思うのは自然なことです。
そこで本記事では、女性の平均年収の現状をお伝えした後に、女性の平均年収を「業界別・職業別・職種別」で詳しくお伝え致します。
就職・転職をする際や、再就職など今後のキャリア選択に迫られた時の参加にして頂ければ本望です。
「年収」は、令和2年賃金構造基本統計調査の概況のデータに基づき、「基本給(月額)×12」+「賞与を含む特別給与(年額)の概算値」で算出しています。
※概算のためレンジを設けております。あくまでも目安としてご理解下さい。
女性の平均年収の現状
男女平等、雇用機会の均等といった考え方が浸透した現代においても、未だ男性と女性の平均年収には大きな差があります。
厚生労働省の調査結果では、男女それぞれのピーク時で比較して「男性のほうが150万円程度高くなる」というのが実情です。
女性の傾向として、妊娠や出産によって正社員の仕事を離職し、一時的に収入がゼロになるか大幅に減ってしまうM字カーブと呼ばれる現象が見られます。
女性の収入が落ち込むタイミングは30代が中心となっていて、男性であれば働き盛りの大切な時期と重なります。こうした男女のキャリアプランの違いも収入差に影響しています。
また、女性は平均年収の上昇が緩やかで、男性ほど年齢に応じて収入が上がっていかない傾向があります。平均年収が一番低い20代前半と一番高い50代前半の差は130万円程度しかありません。
そういった事情を肌感覚で理解している多くの女性が今、少しでも年収を上げようと、より高収入の業界や職業に興味を持つようになってきています。
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【業界別】女性の年収ランキングTOP10
- 教育、学習支援業「500〜550万円」
- 学術研究、専門・技術サービス業「490〜540万円」
- 情報通信業「480〜530万円」
- 金融業、保険業「450〜500万円」
- 複合サービス事業「420〜470万円」
- 不動産業、物品賃貸業「400〜450万円」
- 卸売業、小売業「390〜440万円」
- 医療、福祉「390〜440万円」
- 建設業「360〜410万円」
- その他サービス業「350〜400万円」
業界別で見ますと、女性の平均年収が最も高い業界は「教育、学習支援業」となっています。
eラーニングやオンラインでの教育カリキュラムも増え、教育提供方法が広がっていることも要因の一つです。
次いで「学術研究、専門・技術サービス業」、次点は僅差で「情報通信業」と続きます。
専門性の高い業界はやはり強く、国策でもある脱IT後進国へ向けた取り組みによる収入面への影響も見受けられます。
4位は銀行や生命保険などの「金融業、保険業」、5位は郵便局や農業協同組合などの「複合サービス事業」となっており、大きな後ろ盾がある安定した業界です。
6位以下は400万円前後でほぼ横ばいの傾向が見られます。
高収入の業界を目指すには
上位2つは学歴や専門的知識が求められる業界で、学生時代から長い時間をかけて勉強する必要があります。社会人になってからこれらの業界で活躍しようと思っても、現実的にはかなり厳しいのが実情です。学校でゼロから学ぶ時間やお金を費やす覚悟が必要でしょう。
3位以降については、就職や転職活動の段階から検討することも可能な業界です。別の業種からこれらの会社に転職していく人たちも多くいますので、収入アップを目指すならぜひ検討したい業界です。
年収アップを目指す転職は、自力では“かなり難しい”です。
プロの支援を受け、応募先が求めていること(求人票やホームページなどからは絶対に収集できない内部情報)を正確に把握することが成功の秘訣です。
特に未経験の異業種へ転職を検討している方は、無料の転職サポートおすすめ一覧をチェックして自分に合ったサービスを選んでみて下さい。
【職業別】女性の年収ランキングTOP10
- 医師「1100〜1200万円」
- 大学教授「1000〜1050万円」
- 航空機操縦士「850〜950万円」
- 大学准教授「800〜900万円」
- 管理職従事者「700〜800万円」
- 公認会計士/税理士「700〜790万円」
- 歯科医師「650〜700万円」
- 小・中学校教員「630〜670万円」
- 大学講師/助教「600〜650万円」
- 高等学校教員「600〜630万円」
(※次点は弁護士「550〜630万円」でした)
女性の年収が高い職業の1位は「医師」、2位は「大学教授」で准教授や助教は含みません。3位が「航空機操縦士」いわゆるパイロット。4位に「大学准教授」。
そして最も注目して頂きたいのが、5位に「管理職従事者」が入っていることです。
専門性の高い職業がズラリと並ぶ中、企業などで管理職に従事する女性が5位という上位にランクインしています。
勤務先で昇進することが女性の年収アップにつながるという事実は、企業で働く多くの女性に希望を与える結果と言えるでしょう。
また、TOP10のうち5つ(2位、4位、8位、9位、10位)が学校従事者となっているのも特徴的です。教育に従事する方は平均的に高収入と言えます。
高収入の職業を目指すには
TOP10の職業からもわかる通り、いずれも専門性が高く、残念ながら容易に転職することは難しい職業となっています。
とはいえ、今からでは遅いのか?というと「覚悟があれば今からでも遅くない」というのが私の回答です。
子育てが一段落してから医学部入学を目指し猛勉強。その後、見事合格して医師免許の取得にこぎつけた女性もいます。今から本気で高収入の職業に転身することを目指すなら、数年間は勉強に明け暮れる覚悟が必要かもしれません。
TOP10の中では、医師や歯科医師、会計士や税理士などの士業は特に、出産などで一時キャリアが途切れても、元の収入に近い条件で復帰しやすい職業です。(※惜しくもTOP10入りではありませんでしたが、看護師や薬剤師なども該当します)
女性特有の収入減の問題に対しては、やはり業務独占できる国家資格を持っていることが最大の強みになると言えるでしょう。
【職種別】女性の年収ランキングTOP10
- 投資銀行業務「650〜700万円」
- リスクコンサルタント「590〜650万円」
- 戦略・経営コンサルタント「570〜620万円」
- MR「550〜580万円」
- 知的財産や特許を扱う企画/管理職「530〜570万円」
- ファンドマネージャー、ディーラー(金融系専門職)「530〜570万円」
- 会計コンサルタント、財務アドバイザリー「525〜565万円」
- 法務「520〜560万円」
- 非臨床研究「520〜555万円」
- プロジェクトマネージャー(IT、通信系エンジニア)「520〜550万円」
職種のランキングで最も平均年収が高かったのが金融系専門職である「投資銀行業務」です。
2位と3位に「コンサルタント業務」が続き、会社経営に必要とされる職種は高収入を得られることがわかります。
(※但し、これら上位3職種の平均年収は常に僅差のため頻繁に入れ替わる傾向があります。あくまでも目安としてご理解下さい)
4位は製薬関連企業で働く営業職の「MR(医薬情報担当者)」、最近は派遣で働くコントラクトMRも増えてきました。
5位は「知的財産・特許」を扱う企画・管理職、専門性の高い分野でのマーケティングやマネジメントの仕事も高収入です。
なお、6位以下は549万円〜535万円と、ほぼ横ばいで推移しています。
高収入の職種を目指すには
上位にランクインしている会社経営に関わるコンサルタントは、以前から高収入の職として知られています。
特に外資系企業になると破格の条件でヘッドハンティングされることもあります。
それだけ競争の厳しい世界でもありますが、完全な実力主義であることは女性たちにとっても魅力的な面にもなります。なぜなら、能力があれば女性が男性と肩を並べられる、あるいは男性を超えていける職種と言えるからです。
経営コンサルタントを目指すには、企業経営にアドバイスできる日本唯一の国家資格「中小企業診断士」を取得することが、まずは必要でしょう。
みっちり猛勉強を積めば独学でも合格可能ですが、最短で合格率を高めるにはスクールに通うのが一番です。
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女性が年収を上げるためには
より高い年収を得るためには、収入が高い業界・職業・職種という観点でリサーチし、その中から自分に合った仕事を選ぶ必要があります。
また、自分磨きを怠らず、アップデートを続ける向上心も持ち続けましょう!
先に述べたように、女性には出産や育児によるキャリアの中断というリスクがあるため、その後に復帰しやすい環境を選んだほうが生涯を通して高い収入が得られることも念頭において下さい。
実際に転職活動をする時は、応募先の企業の育児休暇取得実績や時短勤務の制度などを厳しくチェックしましょう!
加えて女性管理職の割合が多い企業を選べば、性別に関係なく実力次第で昇進昇給できる公平な評価環境に身を置くことができます。企業経営に関わることができる役職になれば、当然それに見合った収入も得られるはずです。
また、働きながら資格の取得を目指す選択肢もあります。資格があれば出産や育児などで一時キャリアを中断しても再就職がしやすく、大幅に収入を下げるというリスクを避けられます。
今の仕事に関わる資格を取得すれば、転職をしなくても資格手当や昇格などで収入がアップできる場合もあるでしょう。
業界・職業・職種を理解した後は、「自己理解」を深めよう!
転職して年収アップする秘訣は、自分の能力を存分に発揮できる分野に進むことです。
「自分がどんな仕事に向いてるのかわからない…」「自分に合った仕事なんてあるのだろうか…」と悩んでいる方は、【無料の適職診断】自分に合った向いてる仕事を簡単チェック!を読んで“自分の職業適性を把握する”ことから始めてみて下さい。
まとめ「女性の平均年収は上がっていくのか」
まずは本記事でお伝えした内容を参考に、どのような業界・職業・職種で女性たちが高い収入を得ているのか大枠を理解し、今後の最新情報もピックアップして下さい。
女性が活躍できる環境を備えた企業や業界に優秀な人材が集まることで、女性たちがより高い年収を得られる社会が実現します。
女性一人一人が向上心を持ち、自分のキャリアプランについて考えることが重要だと言えるでしょう。