こんにちは、キャリアコンサルタントのぴよおです。
今回は、「在宅ワークのモチベーションが維持できない」という悩みに対してアドバイス致します。
【相談】在宅ワークのモチベーションが維持できません。何か良い方法はありますか?
相談者:Kさん(34歳・女性)
私は在宅で管理系の事務をしております。
会社の方針で2年ほど前から在宅ワークに切り替わり、それ以来長らく在宅勤務を続けています。
当初は通勤しなくていい喜びが大きく、会社の方針に感謝していました。しかし、2年が経った今では、脱在宅ワークのことばかり考えています。
その一番の原因は、作業内容がパターン化されている定型業務しか仕事を振られないのでモチベーションが保てないことです。
請求関連の処理、フォーマットの作成、システムへの情報登録など、あまり考える必要のない業務ばかりで自分が全く成長していないように感じています。
事務の業務範囲以上を会社に求めるのは違うのかもしれませんが、日々やる気が失われている状況で悩んでいます。
それと、在宅なので気軽に社内コミュニケーションが取れないため息抜きできていないのもあるかもしれません。
このまま在宅ワークが続くと仮定し、自分のモチベーションを維持していく良い方法はありますでしょうか。
ご相談ありがとうございます!
それでは早速アドバイスさせて頂きますね。
「ぴよお」からのアドバイス
陥りやすい在宅ワークの落とし穴
在宅ワークを長く続けることでモチベーションが下がってしまう要因は主に2つあります。
- 孤独感
- 自己衰退感
(1)孤独感
一つ目は、孤独感です。
在宅ワーク中心の働き方が2年も続くと、現場で同僚やチームメンバーと一緒に働いていた時のような“つながっている”感覚は薄れ、個人で仕事をしている孤独感のほうが強くなってしまう人も少なくありません。
スムーズな社内コミュニケーションが取りにくい在宅ワーク環境では、同僚たちと“たわいもない会話”をすることが難しく、自然と出来ていた息抜きが出来なくなってしまうのも孤独感を強める一因となっています。
(2)自己衰退感
そして二つ目が、自己衰退感です。
「パターン化された定型業務ばかりで自分が全く成長していないように感じている」と仰られていますが、定型業務が中心になると、自分がどんどん取り残され、成長どころか衰退している感覚を抱きやすくなります。
モチベーションの鍵は「動機づけ」
人がモチベーションを維持するためには、“動機づけ”が必要です。
キャリア心理学で言う“動機づけ”には、2つの種類がありますのでご紹介しておきます。
- 内発的動機づけ
- 外発的動機づけ
(1)内発的動機づけ
「興味津々!」「楽しい!」「好き!」という“内面から湧き出る感情が動力源となり自発的に取り組んでいる状態”が、内発的動機づけによる行動です。
外発的動機づけの効果と比べると、内発的動機づけによるほうが“長期的にモチベーションを維持しやすい”と考えられています。
(2)外発的動機づけ
「他者からの要求(助けや協力を求められる、お願いされる、依頼される)」「報酬(給料やボーナスなどの金銭、褒められたり高い評価を得るなどの名誉)」という“外側から与えられる働きかけ”を外発的動機づけと言います。
Kさんのように在宅ワークで“仕事が振り分けられる”という状態は外発的動機づけと言えます。
内発的動機づけの効果と比べると、外発的動機づけによる効果は“一時的であり、むしろ長期的なモチベーションは失われやすい”と考えられています。
いかに内発的動機づけを強めるか
自分自身のモチベーションを維持していくためにKさんが意識しなければならない点は、「いかに内発的動機づけを強めるか」です。
在宅ワークが続くと仮定した場合、転職しない限り外発的動機づけ中心の働き方は続きます。一方、内発的動機づけはKさんご自身の働きかけによってコントロールすることが可能です。
在宅ワークだからこそ自己成長を促すこともできる、私はそう考えます。悶々とした晴れないフラストレーションを自己学習や自分磨きにぶつけてみるのもいいでしょう。
新しい知識を増やすための勉強をしたり、資格を取得したり、すでに持ち合わせているスキルをさらにレベルアップさせるのもおすすめです。
興味はあったけどなんとなく手が出なかった分野の勉強を始めてみたら意外と面白かったと思えることもあるでしょうし、全く新しい分野と思って飛び込んでみたらこれまでの自分の経験やスキルが活かせることに驚くかもしれません。
いずれにしても、在宅ワーク期間を自己成長推進期間と捉え、「自己成長できない」という感覚を払拭させるのも一つの方法ではないかと思います。自分では予想できなかったプラスの気づきがあると思いますよ。
【あわせて読みたい】
【年代別】就職や転職に有利な資格おすすめ「難関試験に合格すれば高収入も目指せる!」
今の環境(在宅ワーク&定型業務)を楽しんでみる
「あまり考える必要のない業務ばかり…」とのことですが、こんなご時世ですから、作業の依頼があるだけでもありがたいと受け止め方を改めてみてはいかがでしょうか。
【在宅ワークの利点を確認】
【リモートワークのメリットとデメリット】在宅勤務との違いは?自己管理は必要だけど満員電車ストレスから解放されて最高!
在宅で仕事ができる幸せを噛み締め、どんな仕事であろうとも依頼主が喜んでくれるような成果物を返してあげることが大切です。
在宅ワークという環境も、パターン化している定型業務も、この機会に視点を変えて楽しんでみて下さい。
例えば、件数で表せる仕事(請求処理の件数、システムへの情報登録件数など)は“自己ベスト更新を目指す”など、スコアゲームのように取り組むのもいいでしょう。
フォーマットの作成作業もあるようなので、あえてデザインや色使いにこだわってみるのも面白いかもしれません。ユーザーから「見やすい!使いやすい!」と褒められたらさらにやる気もアップするはずです。
いずれにしても、自分なりに工夫して仕事を楽しめるよう努めることが大切です。感情が前向きになることで自然とモチベーションは高まっていきます。ぜひ参考にしてみて下さい。